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Operazione~手術

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 明日は。(もう、今日か・・・)





 内視鏡的粘膜下層切開・剥離術
 (endoscopic submucosal dissection; ESD)
 という、何とも長い名前ですが...早期胃がんの処置日。

 開腹しなくても、早期であれば内視鏡で、
 がんの切除が出来ます。
 物凄く噛み砕いて言うと、胃がんのある粘膜を
 胃から剥ぎ取ってしまう処置です。
 (専門医や内視鏡に関わるヒトに見られたくないなぁ)

 内視鏡の処置の中でも、私は この処置の直接介助に
 付くことが1番好きです。かなりの緊張感と集中力を
 持続させなければいけないし
 直接介助となれば、施行医との「息」を合わせなくてはいけない。
 がんを切除する為の 処置具を「流れるように」手渡さなくては..
 術中、モニター画面を見ながら、患者さんの全身状態にも
 注意していなければいけない...そんな緊張感が好きなのです。

 およそ数時間の患者さんとの関わりですが
 あくまで治療は医師の仕事ですから、私はそっちに
 気を取られ過ぎず、始まるまでは患者さんに話しかけ、
 少しでもリラックスして頂きたい。
 がん、と言うだけでも不安になっている訳ですし
 その上、内視鏡下ではあっても手術だし。

 明日の患者さんは、きっと不安でたまらない夜なのだと思う。
 
 そして、私も。

 何度、介助についても 毎回が初めてのような緊張感。
 上手く剥離、切除出来ますように。
 患者さんの状態が 安定していますように。
 術中の出血が なるべく起きませんように。
 いつも介助前夜は 気持ちが高ぶります。

 明日の施行医は、ESDデビューを飾ります。
 とても器用で皆の信頼も厚い消化器内科のルーキーです。
 (勿論、「親分」がビッタリくっついての処置になるのですが)
 夕方、わざわざ「明日、僕がESDやるので、宜しく」と
 挨拶に来てました(笑

 私と同じ年でもある彼もまた、同じように感じているのかな。

 いつもの皆の合言葉「全員で気を張って」頑張ろうね!
 美しく、安全に がんの一括切除 やろうね。

 あと4~5時間で夜が明ける。
by amorosa | 2006-05-19 01:58 | infermiera~nurse